某所コピペ

 

高校1年からこっち、ずっと付き合ってる年上の彼女がいるのよ。
当時は生徒会長さんと生徒会執行部の1年生の関係でさ、彼女はキレイな
人だったんだけど、でもなんとなく刃物っぽいみたいな冷たい雰囲気があって、
人前でベタベタするのとか大嫌いなタイプ。ま、それは今でも変わってないけど。
学校の外ですらそうだから、もちろん学校内じゃ俺たちがつきあってるなんて、
隠すまでもなく誰も気づかなかった。
 
特に強烈に覚えてるのは、初めて手をつないだ日のこと。
 
寒い冬の日の夕方、2人で歩いてた学校の帰り道、彼女はくしゃみをした。
”くちゅんっ”なんて、クールな顔に全然似合わない可愛いくしゃみで、俺が
可愛いって笑ったら、真っ赤になって照れながら
 
 「君はナマイキだっ」
 
とかちょっと拗ねたりして、きっと俺にしか見せないだろうそういう表情がまたすごく
可愛いかったんだけど、まあそれはともかく。
 
彼女寒がってたから、何か気遣ってあげたいと思ったんだけど、なんせ俺なんか
生まれて初めての彼女だったし、その相手はベタベタするのが大嫌い。
どうしたら良いのか解らなくて、俺はちょっと悩んだ。そしたら、たぶんそれが
態度に出てたんだと思う、隣に並んで歩いてた彼女は俺を見上げて、
クスッと笑って言った。
 
 「君になら、何されても嬉しいよ」
 
もうあれだよ、いてもたってもいられないほどうれしくて、真っ白になった頭の中で
他に何も思いつかなかった俺は、彼女の左手を握って、そのまま自分のコートの
ポケットに入れたんだ。ただただ、少しはあったかいかな、なんて思って。
そしたら彼女、真っ赤になって俯いちゃった。下向いて
 
「えーっ?えーっ?」
 
って小さく何回も呟いてた。後で聞いたら、回りに他の生徒もいてメチャクチャ
恥ずかしかったって。何されても嬉しいって言っちゃったし、恥ずかしかったけど
振りほどく訳にもいかなくて、下向いてるしかなかったって。
クールな顔に似合わないそういう性格が、またすごく可愛いかったんだけど、
まあそれはともかく。
 
 
それから一緒に何年か過ごして、さっきだ。だいたい4時間くらい前か。
 
初めて握ったのと同じ彼女の左手の薬指に、指輪をはめてきた。
白くて、細くて、柔らかくて、それから少し冷たい手を握って、俺は言ったよ。
 
「頼りないかも知れないけど、あなたの支えになりたい」
 
今までずっとそんなそぶりは匂わせもせずにいたから、彼女本気で驚いてた。
黙ったまま硬直して自分の左手をじーっと見つめてた。
だから俺は聞いたんだよ、”返事聞かせて欲しいんですけど”って、
恥ずかしかったけど、真正面から目を見つめて、まっすぐ。
 
そしたら、彼女は目に涙がいっぱいたまった顔上げて、嬉しそうに言ってくれたよ
 
「な、ナマイキだっ」って、それから、
「でも…ずっと一緒にいて下さい」ってね

これなんて小説?小説だよね?