某所コピペ

 

彼女は、俺が更新を楽しみにしてる映画ネタのWebサイトのオーナーだった
 
けっこうデザインも凝ってるサイトだったのに、まだ高校生だって聞いて驚いて
俺の住んでる東京まで来るのに要る交通費に驚いて、会ったら可愛くて驚いて
もう驚かないと思ったら、俺のことが好きとか言い出されてトドメにもう1度驚いた
 
付き合う様になっても、遠距離な上に俺は貧乏な大学生でそうそう会えもせず、
会ったら会ったで一日中映画ばかり見てたから、やりとりはもっぱらメールだった
彼女、長い間声帯麻痺とか患ってたこともあって、それが当たり前になってた
 
彼女が3年生になった春、会うのを控えさせたいと言い出したのは彼女の母上
”交際に反対するつもりは無いけれど、東京の大学に行くと言っているので、
 お付き合いは卒業してからにしていただけませんでしょうか”
俺は携帯持って正座して、一人でペコペコお辞儀しながら話を聞いてた
 
”解りました。合格したら連絡を下さいとお嬢様にお伝え下さい”
なんて、つまんないプライドでやせ我慢して冷静なフリして答えた
 
それが去年の話
 
その後1年ひたすら待った。何度も連絡を取ろうとしては思い直して堪えて、
こっちの方が大人なんだしとか、チンケな意地にしがみついて我慢して、
都合よく振られちゃったんだろうかとか良い歳していじけて、それでも待った
 
俺の携帯にメールが来たその日はとんでもなく良い天気で、俺は近所の
公園でボーっと流れる雲なんか眺めてた。彼女どうしてるかな、なんて考えて。
 
「お久しぶりです
 合格しましたよ
 もうすぐ東京に行けます
 私を覚えててくれてますか?」
 
嬉しくて急に心拍数増えた心臓抱えて、急いで返事を打った
「あれ?元気だった?」って「合格おめでとう」って、彼女の事なんか大して
気にしてなかったふりして、指震えちゃってんのに冷静なふりしてメールを打った
 
それから、「こっちに来たら何したい?また映画行こうか?」って舞い上がって
タイプミスにも気づかないくらい慌ててメールを打った
 
良く考えたら電話で話しても良かったんだけど、知り合った頃からメールで
やりとりするのが当然だったから、その時はそんなこと思いつきもしなかった
 
で、そのあとすぐ届いた返事は、今でも残してある
恥ずかしい話だけど、これ読んだ時ちょっと涙出たんだ
我慢してたり不安になったりしたのは、俺だけじゃなかったって思い知ったんだ
 
「あいたいです
 一緒にいたいです
 触りたいです
 ぎゅってして欲しいです
 だいすきです」

コメントするのも野暮ってもんだ…。