某所コピペ

いつもと趣向が違いますが載せたいので載せます。

流れブッた斬ってすまなんだが、今から彼女にプロポーズして来る。
以前にもここでこうやって宣言して最良の伴侶を娶られた方がいらしたが、そうなると良いな。
まあおまいらは俺の事なんぞ知らんしどうでも良いだろうから報告は(゚?゚)イラネなんだろうけど、ここで(勝手に)宣言したから後程報告はさせて頂きやす。
行って来ます。
 
 
今日の流れ。
 
俺、彼女の家に到着。
チャイムを押すと暫くしてインターホンで彼女の声、
「あ、俺。」
と言うと暫くして彼女が出て来た。
「…入れば?」
「…おお。」
俺がすげえ緊張してて口数少ないのは分かるとして、彼女迄不機嫌。
実はここ一ヶ月程俺の仕事が忙しくて会ってなかったメールも全然。だから彼女も機嫌悪いんだな、と思った。
ただ俺としてはこの仕事が終わったらプロポーズするぜって決めてたんだよ、随分前から。手前勝手な事だけど。
「…で?何?」
「いや…仕事、漸く区切り付いたから…会いたくなって。」
「…そう。」
これはかなり機嫌が悪そうだ、放置プレイかましただけでこんなになるのかオイ。
いつもにこにことしてて温厚篤実を絵に描いた様な彼女、今日はその片鱗も無く、俺、かなりビビリ入ってた。
で、最近どうだったとか聞いたり自分の仕事の話とかして、彼女は相変わらず不機嫌そうで、早く用件切り出そうと思うんだけど、
「いや、その、なんだ、ずっとほっぽいとったのはごめん、悪かった。ただ、この仕事が無事に終わったらと思って願掛けしてて、で、今日ここに来たわけで…」
とか、もうホントにヘタレ。
彼女はますます不機嫌になるし、これ以上はヤバイと思ってありったけの気力振り絞って言ったさ。
「俺と結婚してくれ。」
 
で、俺も彼女も暫く沈黙。
プロポーズの返事ってイエスかノーかだな、大概。
でも、彼女が言ったのは
「私も話有ったんだよね。」
俺は返事の前にする話なんて何なんだよと思いつつも彼女の言葉を待ったさ。
 
「別れようよ。」
 
…は?
それはつまりノーって事か、いやしかし理由を聞かせろよと。
しかし彼女、強情。幾ら理由聞いても答えない。
途中から怒鳴り始め、初めて見る剣幕に黙り込む俺を普段なら絶対に言わない様な放送禁止用語迄口にして罵る始末、仕舞いには警察呼ぶと言われて、俺、仕方なく退出。
僅か三十分の出来事でした。
しかし彼女の態度があまりにもアレなんで、もう一度話しに行こうとは思ってるんだが。
女性の皆さん、俺が悪かったんでしょうか。
笑いたきゃ笑えよ。
 
 
今からまた彼女のところに行って来ます。
今度はマジで警察呼ばれるかも知らんけど、自分の気持ち伝えて、彼女を傷つけてる事が有ったなら謝って来ようかと。
警察呼ばれなかったらすぐ帰って来ると思うし、また報告に来ます。
 
 
彼女の家に行ったもののドアの前に立つ事も出来ずアパートの前で逡巡する事数十分、彼女、買い物に行くのか部屋から出て来たのが見える。
と、てっきり俺に気付いて揉めるかと思ったらまるで気付かない、それどころか階段を下りて来て俺に
「こんばんはー。」
とか笑顔で挨拶してる。
マテ。俺だ。お前は何アパートのお隣さんにでもするような挨拶してるんだと。
 
理解出来ない彼女の対応に声も掛けられずに歩いている彼女を振り返ると、どうも様子が変だ。
塀とかガードレールとか、とにかく何かに触れながら歩いてる。歩く速度も随分遅い。
そのうち近所のスーパーに着いて、彼女、女性店員に何やら声を掛けてる。
暫くして手に籠を持った彼女とその店員が腕を組んで歩き出す。
で、肉とか野菜とか、店員がいちいち値段とか説明してるんだ。
ここら辺で段々事態が理解出来てきた。
 
アパートに帰る道すがらも彼女の足元は覚束なくて、信号の無い十字路で渡るのに往生してたから、俺、そこで我慢出来なくなって声掛けた。
 
「…荷物持つよ。貸して。」
「いつからいたの?!」
「お前が部屋出て来るところからずーっと後ついて見てた。」
 
で、半ば強引に荷物持って二人でアパート戻ったんだけど、終始無言。
部屋の中でテーブル挟んで座って、やっぱり無言。
「…どういう事?」
俺が聞いても彼女は俯いたままで、暫くして立ち上がって封筒を持って来て俺に手渡した。
俺は無言でそれ受け取って中身見てみたんだけど、何か色々と難しい事書いてあって、早い話大学病院の眼科の診断書のようなもんで。
 
「…二ヶ月前、失明宣告受けたから…」
「………。」
 
彼女は元々弱視で、それは俺も知ってたんだが。
それも有って彼女は在宅で仕事してて、会うのはいつも俺が彼女の部屋に行ってマターリってパターンで、彼女のテリトリーの中だったから全然不自由そうな様子は無かったんだ。
「…別れようっつったの、それが理由?」
頷く彼女。
 
あー、俺ってすげー馬鹿だと。
何で気付かなかったのかと。
どんだけ苦しかったんだろうと思った。
こういう時ドラマとかだったらカッコイイ事言って彼女を包み込んだりするんだろうけど、俺は馬鹿で人間も小さくて何も出来なくて。
かっこつけて願掛けとか思ってた自分がとてつもなく馬鹿に思えた。
気が付いたら思っクソ泣いてて、
 
「何であんたが泣くのよ。」
 
とか彼女に言われたりして。
もうね、泣き乍ら土下座して彼女に結婚して下さいってお願いしました。
そしたら彼女も泣き出して、二人して滂沱。
 
親の反対とか、周囲の反応とか、そういう事はこれから先どうしても有るんだと思う。
俺は度量も無いからその全部から彼女を守る事は出来ないのかも知れんけど。
だけど、連れ合いとして彼女以外には考えられなくて。それは俺の傲慢なのかも知れんけど。
 
守りきる事は出来なくても、その道をずっと一緒に歩いて行こうと思う。